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仕事の達人

第   
6
   回

技術者からコンサルを経て事業家へ
そしていま、企業家としてビッグビジネスに取り組む


※転職情報誌type2005年8月号より転載

イーソリューションズ株式会社 代表取締役社長兼会長 佐々木 経世 氏イーソリューションズ株式会社 代表取締役社長兼会長 佐々木 経世 氏

イーソリューションズ株式会社

代表取締役社長兼会長
佐々木 経世 氏

1957年7月富山県生まれ。慶応義塾大学大学院修士課程修了。日本鉄管を経てマサチューセッツ工科大学でMBA取得。ブーズ・アレン・ハミルトン、ソフトバンクを経て、99年にイーソリューションズを設立。現職に就く。


IT活用を軸としたプロデューシングで躍進を続けるイーソリューションズ。その創業社長である佐々木経世氏は、大企業での安定を捨て去り、その新たな可能性に自分を賭け続けて来た。その刺激的な人生を追う。

人生のスタンダード・コースを描きにくい時代である。ビジネスマン人生にしてもそうだ。日本企業がかつてのような長期雇用慣行を失おうとしているいま、大学を卒業し大企業に就職することがスタンダードな選択であるとは、必ずしもいえなくなってきた。かといって、ベンチャーの可能性を過大評価するわけにもいかない。若手ビジネスマンたちは、おしなべて迷いの中にある。

では、若手ビジネスマンたちはどのような選択をしていくべきなのか。佐々木経世氏は、自身の体験を踏まえて、次のようなアドバイスを送る。「自分を成長させたいと思うなら、成長できる環境に身を置くことも実力の一つ。成長できる環境とは、変化をチャンスと捉えられる環境です。人間、年を取るとだんだんエネルギーがなくなってくる。だから、エネルギーのある若いうちに、変化を楽しみつつ、それをチャンスに変えられる環境に身を置くことがすごく重要だと思います」

変化をチャンスに変えられる環境に身を置くこと──それは、佐々木氏自身がこれまでのビジネスマン人生で実践してきたことだ。一流大学を卒業し、一時は日本有数の大企業に身を置いた。だが、そのまま無難に終身雇用制度に身を任せることはしなかった。常に前を向き、新しい環境に飛び込んでいった。

大企業での安定を捨て MBA留学に賭ける

郷里の高校を卒業した佐々木氏は、大学で計測工学を学んだ。計測工学とは、諸現象を定量的に把握する際に理工学の分野で必要となる基本的な学問。佐々木氏は、自らにとっての最も大きな転機として、その計測工学を学んだことを挙げる。自分の思考・発想の基礎が、そこで築かれたと語る。

卒業後の就職先には、日本鋼管の計測研究室を選んだ。日本の学術賞としては最も権威ある恩賜賞を受賞するようなハイレベルの研究室だ。そこでは、大学で学んだことをさらに深掘りするような研究に没頭した。具体的には、電磁気の分野をスーパーコンピュータで3次元シミュレーションをする実験を主に行っていたという。

「なぜか、だんだん研究室に活力がないと感じ始めたのです。研究者一人ひとりがやりたいことと、会社の意向がマッチングしていなかったのですね。すると、どうしても一貫性のない研究になってしまう。そのことに限界を感じ、MBA留学を思い立ったのです」

そのまま日本鋼管に勤めていれば、終身雇用制度の下、安定した生涯を送れるだろう。だが、同氏はそれだけでは納得いかなかった。若いうちに自分をもっと成長させたかった。これまでとは違う自分をつくってみたかった。同氏は、自費でのMBA留学を決意する。すでに結婚し、家庭ももっていた。まさに、背水の陣だった。

それから同氏は、企業の技術戦略、とくにIT戦略に焦点を絞ったエッセイを書き、マサチューセッツ工科大学(MIT)の書類審査に応募した。おそらく、日本人でITに関するエッセイを著した初めての例だろう。エッセイは高く評価され、MITへの入学を許された同氏は、87年、アメリカへと旅立った。

「MITに留学して良かったことは二つあります。一つは、私の語学力ではとてもすべて読み切れないほどの大量の宿題が毎日出るわけです。そこで、自分なりの仮説を立てて物事を判断する──その判断スピードが養われたことです。もう一つは、たくさんの友人をもてたこと。知識をどれだけ詰め込んでも、そんなものは陳腐化していきます。それより多くの人との出会いの機会をもてたことの方が、私にとってはより貴重な体験でした」

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